ボツ原稿

ゴミ箱。
09年3月~10年4月の成績を競うもの。


ポートフォリオ理論に基づく投資法〜
みんな適当に銘柄決めすぎじゃない?そんな簡単だったらもう皆儲けてるじゃん。僕はもう少し客観的な根拠に基づいた投資方法がいいな。

ん〜、じゃあどうするの? 

Fama-Frenchの3ファクターモデルなんてどうだろう?

なにそれ?

株価のリターンを3つの要素で説明する考え方さ。簡単に言うと3つの鏡で株価のリターンを明らかにする。

3つの鏡って?

マーケットファクター(RMRF)、サイズファクター(SMB)、バリューファクター(HML)の3つ。マーケットファクターとは株式マーケット・ポートフォリオのリターンとリスクフリー・レートの差、サイズファクターとは小型株と大型株のリターンの差、そしてバリューファクターはバリュー株とグロース株のリターンの差、のことさ。

それが株価とどう関係あるの?

例えば、RMRFが大きければ株式指数と連動しやすい銘柄を選べばいいし、もしHMLがマイナスが続いてたらグロース株を選べばいい。しかもこの方法だと、シンプルながら各ファクターへのリスクのエクスポージャーを柔軟に変えることができて、自分の求めるリターンに見合ったリスクを背負うことができて便利なんだよ。

へぇ、なんとなく使えそうなのはわかったけど、具体的にどうするの?

とりあえず、2007年4月から2009年3月の各ファクターのリスクプレミアムを算定しよう。これには野村證券のRussell/Nomura 日本株インデックスデータダウンロードサービス(http://qr.nomura.co.jp/QR/FRCNRI/frnri_download_jn.html)が便利だから、これを使おう。SMBはSmallからLargeの月次リターンの差からの年間平均で、HMLはTotal Market ValueからTotal Market Growthの月次リターンの差からの年間平均で求める。RMRFは、TOPIXに関してYAHOO!ファイナンスからのデータで月間平均を出し、その年間平均を求める。リスクフリーレートは簡単に2%にしておこうか。

うん、そうするとどうなるの

以下の表のようになった。


うーん、SMBやHMLが調子よくて、RMRFが調子悪いのかな。

そうそう、でもここからはちょっとした勘を入れたい。ちょっとした勘っていうのは「逆張り」戦略のこと。安いと思われた銘柄も買われて高くなれば売られるし、高いと思われた銘柄も売られて安くなれば買われるよね。つまり、僕は最近の状況でむしろ悪いファクターにかけたい。

てなると?

つまり、RMRFが2年間で急激に下げたところから今年は上げるのを期待して、RMRFに影響されやすい銘柄、そしてSMBは2年間で結構あげてしまったので大型株を、HMLはここ1年で急にあげたけどまだ1年だけなので比較的グロースの銘柄を選びたい。

具体的にはどうスクリーニングするの?

ここでもあえて厳密さを避けて大胆にスクリーニングしたい。本当は重回帰分析とか必要だしね。RMRFに関してはβが高い銘柄、1.2以上を条件にしよう。次に、SMBは大型株として時価総額5,000億円以上を条件にする。最後に、HMLとしては普通か若干低いぐらいのPBR1.0以下を条件とする。

ふーん、それは簡単にできる?

うん、ネット証券のスクリーニングで簡単にできるよ。

で、何かヒットした?

うん、リコー(7752)が出てきた。βは十分に高いし、時価総額は8000億円以上 、PBRは0.87倍と条件を十分に満たしてる。

株価はどんな感じ?

いまは下図の通り。じゃあ、2008年3月に買ったことにしよう。ただ、この投資法はぼろ儲けするためのものじゃなくて、自分のリスクを把握しつつそれに見合ったリターンを得るための投資法であることに注意してね。また、このファクターに影響されない要因、例えば経営者の方針とかは今回はチェックしてないけど、十分にチェックするといいよ。投資法は前提を理解したうえで、限界と可能性を考えることだよね、これはなんにでも言えるけど。